【脱マンネリ】おせち料理のプロも絶賛、彩りと物語を添える酢の物3選

脱マンネリ!おせち料理のプロも絶賛、彩りと物語を添える酢の物3選

毎年心を込めて作られるおせち料理、本当に素敵です。
ですが、お重に詰める段になって、「気づけばこの一角は、いつも同じ紅白なます…」なんて、少しだけマンネリを感じてはいませんか?

大丈夫です。そのお悩みは、ほんの一工夫で解消できます。いつものおせちに、「菊花かぶ」や「花れんこん」といった、少し華やかな酢の物を一品加えるだけで、お重全体が見違えるように輝き始めるのです。

この記事は、おせち作りをご存知のあなたのための、ワンランク上の酢の物レシピ集です。単なる作り方だけでなく、食卓で語れる「物語」と、料理がもっと楽しくなるコツをお届けします。

この記事を読み終える頃には、今年の酢の物が決まり、「早く作りたい!」と年末の準備が楽しみになっているはずですよ。


なぜ酢の物が重要?おせち全体の味を引き締める「名脇役」の役割

お重の彩りを豊かにしたい、と考えたとき、私たちはつい伊達巻やエビのような華やかな主役級の品目に目が行きがちです。ですが、おせち全体の満足度を上げる鍵は、実は酢の物が握っているのです。

栗きんとんや黒豆、伊達巻といった甘い味付けの料理が続く中で、きゅっとした酸味の酢の物があると、味覚がリフレッシュされて、また次の一口が新鮮に美味しく感じられますよね。

まさに、甘い味付けの多いおせち料理の中で、酢の物は味覚をリセットする「箸休め」という重要な役割を担っています。

いつもの紅白なますに加えて、酢の物のレパートリーを増やすということは、この大切な箸休めの選択肢を増やすことに繋がり、おせち全体の味のハーモニーをより豊かにしてくれるのです。


今年はこれに挑戦!食卓が華やぐ、意味ある酢の物レシピ2選

それでは、おせち作りの中級者にこそ挑戦していただきたい、とっておきの酢の物を2品、その物語とコツを添えてご紹介します。


1.菊花かぶ|不老長寿を願う、凛とした白い花

まずご紹介したいのが、お重の隅で白い大輪の花を咲かせる「菊花かぶ」です。菊は古くから邪気を払い、長寿をもたらす花として尊ばれてきました。この菊花かぶには、家族の健康と長寿を願う、静かで深い祈りが込められています。

この料理の魅力は、何と言ってもその繊細な美しさ。菊花かぶは、「飾り切り」という技術を駆使して作る、代表的な酢の物であり、あなたの丁寧な手仕事が、そのままお重の品格へと繋がります。

菊花かぶ

「菊花かぶ」飾り切りの3ステップ
  • ステップ1
    十字の切り込み
    かぶの上部に、深さ半分まで十字の切り込みを入れます。この時、両脇に割り箸を置くと切りすぎを防げます。
  • ステップ2
    格子の切り込み
    十字の線と平行に、2mm間隔で細かく切り込みを入れていきます。
  • ステップ3
    花を開かせる
    塩水に浸かったかぶが、ふわりと菊の花のように開きます。15分ほど浸けた後、優しく揉んで水気を絞ります。

ワンポイントアドバイス!

品数を一つ減らしてでも、一つの手仕事にじっくり時間をかけてみてください。

なぜなら、料理に慣れてくると、つい品数を多く作ることを目標にしがちだからです。しかし、本当に豊かな食卓とは、品数の多さではなく、作り手の心がこもっていること。今年は菊花かぶ飾り切りに集中する、と決める。その丁寧な時間が、おせち作りを何倍も楽しく、そして完成したお重を何倍も誇らしいものにしてくれますよ。


2.花れんこん|明るい未来を見通す、可憐な花

次におすすめしたいのが、食感も楽しい「酢れんこん」を、さらに一手間加えた「花れんこん」です。

ご存知の通り、酢れんこんの穴は、「将来の見通しが良い」という縁起を象徴しています。その縁起の良いれんこんを、可憐な花の形に仕立てることで、食卓がぱっと明るく、優しさに満ちた雰囲気になります。「お子さんたちの未来が、明るく花開きますように」…そんな願いを、この一品に込めてみてはいかがでしょうか。

花れんこん

作り方は意外と簡単。輪切りにしたれんこんの穴と穴の間にV字の切り込みを入れるだけです。紅白なますの上に数枚散らすだけで、いつもの一皿が特別な仕上がりになりますよ。


定番か、華やかさか?目的で選ぶおせちの酢の物使い分けガイド

ここまで読んで、「どれも素敵で、どれを作るか迷ってしまう…」と思われたかもしれませんね。そこで、今年のおせちのテーマに合わせて最適な一品を選べるよう、それぞれの特徴を一覧にまとめました。

菊花かぶは、定番の紅白なますの代わりにお重の主役を張れるほどの華やかさがあり、紅白なますの隣に添えれば、お重全体を格上げする補完的な存在にもなります。


ひと目でわかる!おせちの酢の物 特徴比較
料理名作りやすさ(難易度)華やかさ(見栄え)込められた主な意味こんな方におすすめ
紅白なます★☆☆☆☆(簡単)★★★☆☆(定番の彩り)平和・平安まずは基本を大切にしたい方
菊花かぶ★★★☆☆(やや丁寧さが必要)★★★★★(主役級の美しさ)不老長寿・邪気払い丁寧な手仕事で、お重を格上げしたい方
花れんこん★★☆☆☆(少しの手間)★★★★☆(可愛らしいアクセント)将来への展望いつもの料理に、少しだけ変化を加えたい方

もっと美味しく、美しく。おせちの酢の物Q&A

最後に、料理好きな中級者の方に多い疑問にお答えしますね。


Q1.酢の物の作り置きは、いつからできますか?

A1. 酢で締めているため、日持ちしやすいのが酢の物の良いところです。紅白なますや酢れんこんは、12月29日か30日に作るのがおすすめです。菊花かぶは、飾り切りまでを29日に行い、甘酢に漬けるのは30日にすると、かぶの白さが際立ちます。


Q2.菊花かぶを作るとき、かぶが苦くならないコツはありますか?

A2. かぶの皮を少し厚めにむくのがポイントです。皮のすぐ下に苦味の元となるアクが含まれていることが多いからです。また、切り込みを入れた後、塩水にしっかり浸けてあげることで、アクが抜けて苦味が和らぎます。


Q3.甘酢の味がなかなか決まりません。黄金比を教えてください。

A3. どんな食材にも合う万能甘酢の比率は「お酢:砂糖:水=3:2:1」に、塩をひとつまみです。これを基本に、お好みで出汁を加えたり、ゆずの皮を加えたりして、ぜひ「我が家の味」を見つけてみてください。


まとめ:物語を添えて、あなたらしいお重を

いつものおせちも、もちろん愛情がこもった素敵なものです。ですが、今年はぜひ「菊花かぶ」や「花れんこん」を加えて、新しい彩りと物語を食卓に添えてみませんか。

その少しの挑戦が、毎年恒例のおせち作りを「義務」から「心躍る創作の楽しみ」へと変えてくれるはずです。

自信を持って、あなたらしい最高のお重を完成させてください。

まずは第一歩として、「菊花かぶ」の飾り切りを紹介している参考動画をチェックして、美しい菊の花が開く様子を見てみませんか?きっと、ご自身でも作ってみるのが楽しみになりますよ。


※上の解説とは異なる部分がありますが、参考にしてみてください!