おせち料理の鶏肉の意味、子どもにどう伝える?食卓が楽しくなる物語

おせち料理の鶏肉の意味、子どもにどう伝える?食卓が楽しくなる物語

「この鶏肉、どうしておせちに入っているの?」

お子さんのその一言は、素晴らしい冒険の始まりの合図です。食卓を囲みながら、そんな素朴な疑問を投げかけられて、ドキッとした経験はありませんか?

大丈夫です。おせちの鶏肉料理に込められた意味は、子どもが夢中になる「面白い物語」として伝えることができます。難しい言葉で説明する必要なんてありません。大切なのは、答えを「秘密の物語」にして、宝箱を開けるように話してあげること。

この記事を読めば、いつものおせちの時間が、親子の知的な冒険に変わります。さあ、一緒に食卓で使えるとっておきの物語を見つけにいきましょう。読み終える頃には、お子さんの「なんで?」が「なるほど!」に変わる、とっておきの物語を3つ手に入れていますよ。


大切なのは「教える」ことより「一緒に楽しむ」こと

お子さんに文化を伝えたい、と思うとき、私たちはつい「ちゃんと教えなきゃ」と力んでしまいがちです。でも、子どもたちの心が動くのは、正しさよりも楽しさだということを知るべきです。


ワンポイントアドバイス!

意味を「クイズ」にしてみてください。「このお料理、なんで片方にしかゴマがついてないと思う?」と。

なぜなら、子どもたちは教えられるよりも、自分で考えたり発見したりすることが大好きだからです。「意味は〇〇だよ」と事実を伝えるだけでは、子どもたちの心に物語はなかなか響きません。問いかけは、お子さんを物語の主人公にするための魔法の杖なのです。

そもそもおせち料理は、新しい年の神様である歳神様をお迎えして、「今年も家族みんなが元気でいられますように」という“願い事”を伝えるために生まれました。そう、おせち料理は一品一品が、家族の幸せを願うファンタジーの世界への入り口なのです。


食卓で語れる!おせちの鶏肉「なるほど!物語」3選

それでは、さっそくお子さんがワクワクする鶏肉料理の物語を3つご紹介します。どれもお子さんの年齢に合わせて、自由にアレンジして語ってあげてくださいね。


物語1:正直者のしるし!『鶏の松風焼き』のひみつ

一つ目は、松風焼きの物語です。この料理の片面だけにケシの実やゴマがついていて、裏には何もない見た目が、「裏表のない正直な生き方ができますように」という願いを象徴しています。

この関係性を、こんなふうに話してみてはいかがでしょうか。

「昔々、正直な心を持ったお侍さんがいたんだ。そのお侍さんは、隠し事が大嫌い。『私の心には、裏も表もありませんぞ!』というのが口癖だった。この松風焼きはね、そのお侍さんの心を形にした料理なんだよ。片方にしか飾りがないのは、『裏には何もないよ』っていう正直者のしるし。『あなたも、このお侍さんみたいに、まっすぐで正直な人でいてね』っていう、お父さんとお母さんからの願いが込められているんだ。」


物語2:力を合わせる最強チーム!『筑前煮』の仲間たち

二つ目は、筑前煮の物語です。筑前煮は、鶏肉だけでなく、それぞれに特別な力(意味)を持つ根菜たちが集まってできている、まさにヒーローチームのような料理です。

この料理と具材たちの関係性は、こんな冒険物語になります。

「このお椀の中は、すごいヒーローチームが集まっているんだ!リーダーは、みんなを元気にする鶏肉レンジャー。そして仲間には、望遠鏡みたいに遠くまで見通せる目を持つ、レンコン博士。どんなことがあっても倒れないように、地面にしっかり根を張る、力持ちのゴボウさん。みんなの得意技が合わさるから、筑前煮はこんなに美味しくて、食べると元気が出るんだよ!」


物語3:幸運をキャッチ!『一番鶏』のラッキーパワー

三つ目は、鶏肉そのものに込められた願いの物語です。新しい年の朝、一番最初に「コケコッコー!」と鳴いて朝を知らせるニワトリは一番鶏と呼ばれ、とても縁起が良いとされています。この一番鶏という存在が、おせちに鶏肉を入れることの意味の素敵な由来の一つになっています。

この由来は、こんなふうに話せます。

「新しい年が来た朝、一番最初に鳴くニワトリのことを『一番鶏』って呼ぶんだ。一番鶏の声を聞くと、その年はとってもラッキーなことが起きるって言われているんだよ。おせちに鶏肉を入れるのは、『今年一年、かけっこでも勉強でも、一番乗りで良いことをたくさん掴まえられますように!』っていう応援の気持ちが込められているんだ。」


【そのまま使える】子どもとの会話が弾む「教え方チートシート」

物語を知ったら、次はいよいよ実践です。実際の食卓で、どんなふうに会話を広げたらいいか、簡単なシミュレーションをしてみましょう。


親子で楽しむ!おせちの鶏肉・会話シミュレーション
料理名語りかけフレーズ例こんな質問が来るかも?
松風焼き「このお料理、面白い形だね。片方だけにゴマがついてるけど、なんでだと思う?」「お侍さんは、なんで裏がなかったの?」「正直者って、なあに?」
筑前煮「筑前煮ヒーローチームの中で、どのヒーローのパワーが一番欲しい?」「にんじんさんは、どんなパワーを持ってるの?」「鶏肉レンジャーは本当にいるの?」
鶏肉全般「もし一番鶏の声が聞こえたら、どんなラッキーなことが起きてほしい?」「本当に一番に鳴くの?」「どうしてラッキーなの?」

もっと知りたい!おせち探検隊からの追加質問

お子さんの好奇心は、鶏肉だけでは止まらないかもしれません。よくある質問にも、物語で答える準備をしておきましょう。


Q1.にんじんは、どうしてお花の形なの?

A. あれはね、「梅」の花なんだよ。梅は、寒くて雪が降る冬でも、一番にきれいな花を咲かせる、とっても強くて偉いお花なんだ。「あなたも、梅の花みたいに、どんな時でも元気に頑張れる強い子になってね」という願いが込められているんだよ。


Q2.「おせち」って、どういう意味?

A. 「おせち」はね、季節の変わり目のことを昔の言葉で「節(せち)」って言ったことから来ているんだ。季節が変わる大切な日にお供えする、特別なご馳走だから「御節(おせち)料理」って呼ばれるようになったんだよ。


まとめ:自信を持って、あなただけのお正月を迎えましょう

いかがでしたか?おせち料理は、ただ食べるだけのご馳走ではなく、家族の幸せを願う物語がたくさん詰まった、素敵な宝箱のようなものです。そして、その宝箱を開ける鍵は、お子さんの「なんで?」という言葉なのです。

大切なのは、すべての意味を正確に覚えることではありません。おせち料理に込められた物語を、親子で一緒に楽しむことです。

さあ、あなたも今年は「物知り博士」ではなく、子どもたちをワクワクさせる「物語テラー」として、食卓を冒険の舞台に変えてみませんか?

まずは3つの物語のうち、お子さんが一番好きそうなものを一つ選んで、お正月に話してあげてください。きっと、お子さんの目がキラキラと輝き、おせちの時間がもっと特別なものになるはずです。