梅雨を知らせる花のリレー!始まりから終わりまでを楽しむ秘密のサイン

梅雨を知らせる花のリレー!始まりから終わりまでを楽しむ秘密のサイン

雨が続く毎日、お洗濯物も乾かず、つい気分も沈みがちですよね。

最近、お散歩や買い物帰りに、道端で背の高い見慣れない花が咲き始めているのを見かけませんか? あるいは、どこからともなく独特の青臭い匂いを感じたことはありませんか?

実はそれ、植物たちが私たちにそっと教えてくれる「梅雨のサイン」なのです。

この記事では、梅雨の始まりから終わりまでを時系列でつなぐ「花のリレー」と、明日誰かに話したくなる秘密のサインをご紹介します。主役は、栗の花アジサイ、そしてタチアオイの3つ。この記事を読み終える頃には、鬱陶しいと思っていた梅雨の季節が、きっと待ち遠しくなりますよ。


始まりを知らせる花①:栗の花の香りは梅雨入りのサイン

栗の花

5月の終わりから6月にかけて、雑木林の近くを歩いていると、むわっとした少し青臭い、独特の匂いを感じたことはありませんか? あの匂いの正体こそ、梅雨の始まりを知らせる最初のバトンランナー、栗の花です。

栗の花が満開になり、その強い香りが漂い始めると、間もなく雨の季節がやってきます。そして、この栗の花と梅雨入りの関係性は、とても美しい日本語にもなっています。

長雨の季節に入ると、満開だった栗の花はその雨に打たれてはかなく散っていきます。この「栗の花が落ちる頃」を、昔の人は「墜栗花(ついり)」と表現しました。そして、この言葉が「つゆいり(梅雨入り)」の語源になった、という素敵な説があるのです。

次にあの独特の匂いを感じたら、「ああ、墜栗花の季節だな」と思い出してみてください。ただの匂いではなく、季節の訪れを告げる風情あるサインに感じられるはずです。


季節の進行を知らせる花②:アジサイの「本当の花」を知っていますか?

アジサイの真花

梅雨の季節の主役といえば、やはり色鮮やかなアジサイですよね。

ところで、「うちのアジサイはもう満開なのに、気象庁が発表する開花日とはずいぶん違うな」と感じたことはありませんか? 実はそこには、アジサイの面白い秘密が隠されています。

私たちがお花だと思って見ている、大きくて華やかな部分は、実は「装飾花(そうしょくか)」と呼ばれる「がく」が進化したもの。本当の花は、その中心にひっそりと集まっている、小さくて目立たない粒々。これを「真花(しんか)」と呼びます。

そして、国の気象観測を担う気象庁は、今もアジサイを季節の進み具合を測る「生物季節観測」の対象にしています。そして、この目立たない「真花」が数輪咲いた状態となった最初の日を、公式な「開花日」として記録しているのです。

2021年に観測体制が見直され、かつてのような全国統一の「標本木」による観測は縮小されましたが、アジサイは気象庁の職員による観測対象として残りました。現在も、各気象台の職員が敷地内や周辺の木で開花を確認し、私たちの季節感の指標となる「開花日」を発表しています。つまり、気象のプロも、今なおアジサイの「本当の花」に注目して季節を測っているということ。この「真花」の秘密は、子どもたちに教えると「えーっ!ここが花なの!?」と目を輝かせて驚くほど、意外な事実です。この雑学を知っていると、アジサイを見る目が少し変わって、専門家になったような気分を味わえるかもしれませんね。


終わりを知らせる花③:「タチアオイ」がてっぺんまで咲いたら梅雨明け

タチアオイ(梅雨葵)

栗の花からバトンを受け取り、アジサイが彩る梅雨の盛り。そして、このリレーのアンカーを務めるのが、お散歩中に気になっていたかもしれない、あの背の高い花「タチアオイ」です。

その名の通り、天に向かって真っ直ぐにすっと伸びる姿が特徴で、別名を「梅雨葵(つゆあおい)」とも呼ばれます。

タチアオイの最も面白い特徴は、その咲き方にあります。花は必ず茎の下の方から咲き始め、一日一日、少しずつ上へ上へと咲き進んでいくのです。この性質から、昔の人はタチアオイを「梅雨を知らせる花」として親しんできました。

「タチアオイが下の方で咲き始めると梅雨入りし、花がてっぺんまで咲ききると梅雨が明ける」という言い伝えは、広く知られています。これは、タチアオイの開花時期が梅雨の時期と重なり、下から上へと時間をかけて咲き進む様子が、まるで梅雨の進行度を示す目盛りのように見えたためでしょう。まさに「季節を知らせる時計」のような存在なのです。

今日見かけたタチアオイがどのあたりまで咲いているかを確認すれば、今年の梅雨が今どの段階にあるのか、言い伝えに倣っておおよその見当がつきますよ。


「梅雨を知らせる花」をもっと楽しむ!よくある質問(FAQ)

梅雨を知らせる花に関してのよくある質問にお答えします。


Q1. タチアオイはどこに行けば見られますか?

A. タチアオイはとても丈夫な花で、日当たりの良い場所を好みます。特別な名所に行かなくても、普段お散歩する道端や公園の隅、日当たりの良い空き地などで見かけることができますよ。


Q2. タチアオイの花言葉は?

A. 天に向かって真っ直ぐ伸びる姿から、「大望」「野心」「豊かな実り」といった前向きな花言葉がつけられています。梅雨明けの青空に向かって咲く姿にぴったりの言葉ですね。


まとめ:明日からの散歩がもっと楽しくなる

今回は、鬱陶しい梅雨の季節を楽しく彩る「花のリレー」をご紹介しました。

  1. 梅雨入りは「栗の花」の匂いから(墜栗花)
  2. 梅雨の最中は「アジサイ」の真花に注目
  3. 梅雨明けは「タチアオイ」のてっぺんの花がサイン

この3つのサインを知っているだけで、鬱陶しいと思っていた雨の日も、植物たちからのサインを探す宝探しに変わります。

明日の朝、お出かけの際はぜひ道端の花たちに目を向けてみてください。そして、ご家族やご友人に「あの背の高い花がてっぺんまで咲いたら、梅雨明けなんだって」と、こっそり教えてあげてくださいね。


参考文献リスト